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(仮称 2026年4月設置予定)

宮田裕章(CoIU(仮称)学長候補)

「Co-Innovation University」 大学名に込められた思い

2022年3月26日(土)に開催した記者会見において、飛騨高山大学(仮称)から「Co-Innovation University」(仮称)への名称変更を発表しました。なぜこのような大学名に至ったのか、そして名称にも使われている「Co-Innovation」とはどういったものなのか、宮田裕章学長候補が語った言葉をスペシャル記事としてまとめました。

ともに未来をつくる大学


左からCoIU(仮称)のロゴをデザインした水野さん、宮田学長候補、CoIU(仮称)設立者である井上代表理事
左からCoIU(仮称)のロゴをデザインした水野さん、宮田学長候補、CoIU(仮称)設立者である井上代表理事

これから私たちがつくろうとしている大学は何をするところなのか?という問いに対して、「ともに未来をつくる大学だ」という思いを込めて「Co-Innovation University」(仮称)という名前にしました。「ともに」という意味である「Co」を強調して、略称は「CoIU」(コーアイユー)としました。

CoIU(仮称)では地元の方々といろいろなビジョンをつくっていきますが、大学名として飛騨のアイデンティティを表現しなかったのは、場所や校舎にその地域性を紐づけつつも、飛騨以外のさまざな地域も含めてフラットに未来をつくっていける大学にしたいと思っているからです。

そして、こちらがCoIU(仮称)のコンセプトです。



かなり大上段に構えたコンセプトですが、今、世界は歴史の転換点に差し掛かっています。ロシアとウクライナの戦争はもちろん、第二次世界大戦以降の世界秩序が揺らぐ中、新型コロナのこともありますし、経済そのものが格差を生み続けている状況があります。

社会全体の課題は、そういった個別の単位だけの話ではなくなってきています。次の世界のビジョンをともに見据えながら、ともにどうやって新しい社会をつくるんだろうか。

今まで我々は無意識の中でいろいろと積み重なったものをあとから“文明”と呼ぶことが多かったんですが、そうではなくて、新しい歴史の流れを見据えながらともに流れをつくっていこうと考えています。

CoIU(仮称)でも大学をつくるだけではなくて、駅前の商業施設あるいはそれ以外のエリアや人々との暮らしの連携を考える上で、学問やビジネス、アート、その他さまざまな文化の視点が欠かせません。CoIU(仮称)を軸に人と世界をつなぐ取り組みを広げ、ともに新しい社会をつくることを考えていきたいなと思っています。

Co-Innovationとは


「Co-Innovation」とは、「人々がより良く生きる豊かな未来」につながる新たな価値創造を目指し、多様な人々、コミュニティ同士が互いのために補完しあい、またその価値を高めあいながら、持続的に課題解決および社会変革に向け協働することを意味しています。

この意味合いは「共創学部」として学部名にも取り入れています。我々が学生や地域の方々とともにどういったことを学びながら、未来をつくっていくのかという考えを込めました。

未来をつくっていくためには、クリエイターのように自分の考えにもとづいて独善的に行動することももちろん価値があることですが、これからの世界はそうではないと思います。いかに“ともにつくるか”が重要です。

なぜ“ともにつくること”が必要なのかというと、石炭や石油のような消費・独占して取り合う資源だけではなくて、データや環境のような人々と分かち合える資源をどのようにともに使っていくのか。これがますます重要になってくるからです。

地域や世界の人たちとつながりながら、実践を通して新しいビジョンをつくり、社会を変えていく必要があるのではないでしょうか。一連の実践と理論を組み合わせながら、経済や統計学、社会学、医学などさまざまな分野の知を取り入れて、社会とどう向き合っていくのかをCoIU(仮称)では考えていきます。



経済成長や国際協調のために何かをする世界はこの数年で終わりました。昨年のG7もそうでしたが、最初にどんな未来があるのか描く必要があります。

我々が「well-being」(ウェルビーイング)と呼んでいる「個々人の豊かな生き方」は、デジタルによって個人同士や世界とつながることができるようになりました。独りよがりでご機嫌でも世界は回らないので、一人ひとりが豊かでありながら、世界の持続可能な未来につながっていくことが重要です。そこでsustainabilityとwell-beingを合わせて「Better Co-Being」(ベターコービーイング)と呼ぶ、共創的なあり方が求められます。

では、どうやって人と世界を結ぶのか。例えば、農業において地域の持続可能な暮らしとビジネスをつなげていく、医療とモビリティ(移動性・流動性)をつなぎながら人々に寄り添える新しい医療をつくっていく。さまざまな分野を同時に見ながら人と世界をつなげていく者として実践していこうと考えているわけです。

環境か人か、という話ではなくて、互いにつながっているんですね。地域における人々の豊かな暮らし、そして、それを下支えする技術・社会・コミュニティ。コミュニティは多層的で、それが地球や環境とつながっていく。



それだけでなく、地域と地域をつなぐのも我々のコンセプトです。これまでずっと“地方創生”と言われてきましたが、東京のような超巨大都市が労働力やお金を吸い上げながら巨大に発展していくのに対して、一つの地域で対抗するものをつくることはほとんど不可能です。

でも、ここから先は人が歯車のように経済合理性のために動いていく世の中ではなくて、それぞれの豊かさを多様なコミュニティの中でつくりながら、かつ、そのコミュニティ同士もつながっていけると考えます。

飛騨であれば自然や木材だったり、別の地域だったらアートだったり、あるいはイノベーションの文化だったり、地域同士がお互いを補完しながら新しいコミュニティモデルをつくっていけるでしょう。東京や大阪は地域の敵というわけではなくて、地域の一つの事例でもあり、それぞれが多様につながりながら新しい世界・社会をつくっていく。CoIU(仮称)ではこういったことを考えていきたいなと思っています。

Youtubeにてイベントが動画で閲覧できます。

https://www.youtube.com/watch?v=D1W0btkQbu8&list=PLpV5WX9wB71tkMjC3AKtlJiMMWxE4J8h5&index=2

CoIU(仮称)学長候補宮田 裕章
1978年岐阜県生まれ。2003年東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻修士課程修了。同分野保健学博士(論文)。早稲田大学人間科学学術院助手、東京大学大学院医学系研究科医療品質評価学講座助教を経て、2009年4月同准教授、2014年4月同教授(2015 年 5 月より非常勤) 、2015年5月より慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室教授。専門はデータサイエンス、科学方法論、Value Co-Creation。2025日本万国博覧会テーマ事業プロデューサーをはじめ多様な社会活動に携わる。地域とともに創る新しい未来のイメージについては今後SNSなどを含め様々な媒体で発信していく。

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